シェアリングエコノミーに関するInnovation Classを開催! 12/12/2018

12月12日、潜在的起業家コミュニティ”Potentialist”は、オフラインイベント”Innovation Class”を開催しました。Innovation Classでは、毎回、テーマとなる特定のイノベーションについて、その分野で活躍する起業家が解説します。今回はシェアリングエコノミーとD2Cをメインテーマとして、70名の参加者の皆様とともに開催できました。

イベントの詳細については、開催告知ページをご確認ください。

 
Hiruma Reon
 

レクチャーサマリー

近年になり、急速に発展したシェアリングエコノミー(シェアエコ)市場。全世界で見た時、2013年時点での市場規模は150億ドル*と言われていて、その規模は2025年までに3350億ドル*までに上ると試算されています(*出典:経産省「情報通信白書平成27年度」)。日本シェアリングエコノミー協会は、次のように定義しています。

 
sharing economy
 

同協会によればシェアエコは、主に5つの領域に分類されると言われています。

 
シェアリングエコノミーの領域.png
 

出典 :日本シェアリングエコノミー協会

このうち、本イベントの登壇企業は以下の領域で活躍しています。

 
シェアエコの領域
 
 
Jad Saleh

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比留間の後の「シェアエコ」セッションでは、はじめにジャッド・サレ氏が登壇しました。サレ氏は航空業界の業務開発者、INSEADのMBAを経て、日本でシェアバイクプラットフォーム”Pedaru”を起業した29歳の起業家です。プレゼン内容は、シェアリングエコノミー(シェアエコ)の概念と日本での例、INSEADの提唱するブルーオーシャン戦略、Pedaru の戦略の3本立てでした。「メルカリはシェアエコか?」という問いから始まり、日本のシェアエコ業界に対する問題提起やブルーオーシャン戦略の直感的な説明とそれを採用する意義、そしてPedaruのビジネスモデルを解説。INSEADの折り紙つきの筋だった説明が来場者を強く引き込みました。質疑応答では、自転車の提供者のインセンティブの得方や、日本で起業する際に気をつけたところ・苦労したところについての質問などが出ました。登壇の様子は来場者によりYoutubeにアップロードされています。

 
Yamamuro Yutaro
 


続いて、MerryBIZの山室取締役が登壇しました。
大学院、コンサルティングファームを経て、メリービズ取締役として会計/経理アウトソーシング事業を牽引する山室氏。「『経理』って何?」という問いかけから、「バーチャル経理アシスタント」として事業を展開する哲学を語りました。山室氏はシェアエコの利点として「得意なことと苦手なことを交換できる」ところを挙げ、顧客の苦手な会計/経理の手助けとして、得意な専門スタッフの労働力を提供することを強調。最後に、来場者の要望を受け、スタートアップ経営の良かったことを述べました。経営として良かったことには、業務の内容をレシート入力から総合的経理アシスタントへとチェンジしたこと、そして辛いときもチームの士気が高く頑張れたことを紹介。質疑応答では、在宅スタッフの募集方法や審査、freeeや町の税理士といった競合との差別化について質問が出ました。

 
Taiga Takayama
 

続いて登壇したのは、シェアリングエコノミーのひとつであるクラウドファンディング(クラファン)で「透明なパンツ」を発表して200万円の支援を集めた高山氏。資金調達にクラファンを選んだ理由は、そのキャッチコピーを通じて商品やストーリーの認知を広めることが目的でした。今後もOneNovaで出す製品はすべてクラファンを経てリリースしていく高山氏は、クラファンでより多くの資金を得るポイントを述べ、来場者は特に聞き入っていました。その他にも、クラファンサイトのデザインの工夫、コピーの工夫、支援プランの工夫を紹介しました。質疑応答では、起業するにあたってパンツとした理由、起業した理由、大手とのコラボの可能性、原材料の透明性などについて質問が出ました。

 
 
 
Discussion
 

一番最後のセッションでは、パネルディスカッションの形式を取り、ファッションブランドを展開する三人の起業家がブランドの始め方や、D2Cやクラウドファンディングを活用した展開方法について語りました。ディスカッションの進行役としてのファシリテーターにはハーブコーヒーブランドをD2Cベースで展開しようと現在奔走中の柳田と、このイベントの主催者である比留間が務めました。

登壇したパネリストは以下の通りです。

 
12/12 パネリスト
 

「透明なパンツ」で知られるブランドOneNovaは、第二弾の製品リリースを先月開始。ネパール産アクセサリーブランドLatonaは第一弾のリリースを先月終了。グラマーサイズの下着ブランドEteranunは資金調達を終了し、生産開始を控えている。それぞれ違うステージにいるブランドオーナー達ですが、いずれも展開にはD2C(詳しくはPoteMemoを参照)をベースとした展開をしています。

当初20分を予定したパネルディスカッションでしたが、充実した議論の末、予定時刻をオーバーした形で閉幕しました。ディスカッションでは、以下のような疑問が議論されました。

 
質問.png
 

なかでも興味深かったのは、「事業の開始・展開におけるクラウドファンディングの位置付け」についての話です。「ファンディング」という言葉が示すように、クラウドファンディングは手軽な「資金調達」を可能にします。しかし、キャシュフローの良い製品開発やテストマーケティングを可能にするなど、他にもクラファンを採用する理由もあります。OneNovaは、事業においてクラファンをしっかりと位置づけ、使い方にはこだわっています。対して、同社は株主や銀行の融資もしっかりと受けていて、その資金調達方法はクラファンに依存しているわけではありません。同社は、クラファンを「販売場所」として位置付けています。CEOの高山さんは「これからもクラファンのみで販売していく」という方針を明らかにし、他にも「物語ECであり、無料の広告や家入さんにtweetしてもらえる」など、クラファンを魅力のある販売場所として捉えていることがわかりました。一方、Eteranunは事業を始めた当初に中学生であったこともあり、バイト等による資金確保ができなかったため、可能な唯一の資金調達手段としてクラファンを使いました。Latonaは、200万円を調達したOneNova、80万円調達したEteranunのような規模感の調達には至っていませんが、代表の市川さんは「他の人のように多額の調達をうけることには最初抵抗があった。まずは等身大で始めるために友達クラウドファンディングPolcaで、必要な金額を調達した。」と話しました。

他にも、以下のような興味深い意見が出ました。

「D2CとSPAは、両方とも自社企画、自社生産で、最大の違いはD2Cがオンライン/SPAは実店舗という考えがありますが、これには違和感を覚えます。SPAは、店舗やラインナップを増やせば売り上げが上がるというモデルで、D2Cは物語性や、品質のほか、お客さんとのコミュニケーションを重視することで売り上げが上がるモデルです。ここがD2CとSPAの異なる点で、僕がD2Cにこだわる理由です。」(高山CEO/OneNova)

「インスタグラムは、世界感を作るところ」(高山CEO/OneNova)

「生産者を探すのが一番大変でした。かなりの工場に連絡したけど、断られてしまって。とにかく、連絡しまくりました。」(益山代表/Eteranun)

「ソーシャルブランドだけど、「同情」で製品を買ってほしくないと思っています。私たちがプロデュースする製品は、市場に出すことのできる市場価値を持っていると思っています。「同情」で買ってくれる方も有り難いですが、それだけでは持続的なモデルではありません。だから、売るときもエシカルの部分は全面に出しません。」 (市川代表/Latona)

 
Potememo-D2C.png
 

閉会後、an excuseの試飲タイム/OneNovaの販売タイムを設けました。

 
試飲(an excuse)・販売(one nova)
 

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